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20.2014

『セックスとバイオレンスの人類史』 ミロ・マナラが描く一大絵巻

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ミロ・マナラ_セックス_バイオレンス_人類史_歴史_暴力

我々人類は、この地表の上に途方もない文明を築き上げてきた。
大地をコンクリートで覆いつくし、天を衝く建造物を林立させ、その間を縫うように鉄道や自動車を走らせる。
コンクリート・ジャングルとはよく言ったもので、人工物は密林の木々のように多い繁っている。
今では大地を離れて空を飛び、成層圏さえ越え出て宇宙を「開拓」しはじめた。
さらには、インターネットを介して仮想の宇宙さえも作り出そうとしている。
人類の偉大なる発展。
偉大なる進歩。
霊長類から7000万年、人類になって500万年の月日が流れた。
一介のサルから、地の支配者となるまでに、人類は進化を遂げた。
イタリアンコミック界の重鎮にしてエロティカの世界的巨匠ミロ・マナラ(Milo Manara)が描きだした一大絵巻からは、こうした輝かしい人類の歴史を通底する、二本(ふたもと)の水脈を見ることができる。
セックスとバイオレンス。
コンクリートを引きはがし、その大地にしみ込んだ血を受けて、真っ赤に沸騰する水脈。
この水脈は、分岐と結合を繰り返しながら、人類史上一度も途切れることなく流れ続けてきた。
この事実に立脚すれば、「進化」「進歩」「発展」という言葉はかすんで消える。
人間は何も変わっていない。
現代と原始時代の違いといえば、「服装」と「武器」くらいのものだろう。
我々が「文化」と呼んで尊ぶ一切は、ただの表層的なファッションに過ぎず、「文明」と読んで崇める一切は、手に持つ武器の進化に他ならない。
ミロ・マナラの絵が示すものは、我々人類がたどってきた、否定しようのない足跡である。
目を背けてはならぬ、胸の内に刻みつけるべき歴史である。
英国の動物行動学者・進化生物学者リチャード・ドーキンスは、その著書『利己的な遺伝子』の中で、人類を「遺伝子という名の利己的な分子を保存するべく盲目的にプログラムされたロボット機械」だと述べ、「生物は遺伝子のためのサバイバル・マシンである」と見なした。
我々を操る遺伝子は、どこへ向かっているのか。
何を繋ごうとしているのか。
性と暴力。
DNAの二重螺旋構造のように絡み合い、生物を突き動かす核(コア)。
その地下水脈は、どれほどコンクリートで覆い尽くそうとも、必ず裂け目を見つけ出し、紅蓮のマグマとなって噴火する。
米軍によるイラク空爆が続く中、昨日仏軍の空爆参加も発表された。
スコットランドの独立投票を契機に、スペインなど世界中で分離独立の機運が高まりつつある。
中国共産党によるチベット・ウイグルへの侵略・虐殺はとどまるところを知らない。
平和に眠るわが国には、何かを報せるかのように台風16号が接近している。

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